「校舎の天<そら>では悪魔が嗤っている」感想と考察

まえがき

こんにちは、ねこぽんです。

昨日、私の好きな漫画の一つである「校舎のうらには天使が埋められている」の続編である「校舎の天<そら>では悪魔が嗤っている」が、eヤングマガジンより公開されました。

※以下の文には「校舎の天<そら>では悪魔が嗤っている」及び、「校舎のうらには天使が埋められている」のネタバレを含みます。ご注意ください。

舞台は昭和45年とのことですので、前作のキャラクター達のおじいちゃんおばあちゃんに当たる年代のようです。

現状では前作との繋がりが明言されていないのですが、ちらほらそれを意識させるような箇所はあったりします。

それについては後半でお話するとして、まずは感想を。


感想

導入

今回の主人公は近野航くん。

家が貧しく家庭環境も決して良くない中、必至に勉強を重ね、名門校(主人公以外全員女性)への合格が決まりました。いいお話ですね。

小山鹿梨子先生の作品でなかったなら、彼はこのままハーレムエンドで幸せになっていたことかと思います。

が、いざその名門校に行ってみると……。

のっけから女の子同士で野外で事に及んでいる場面に遭遇したり、クラスメイトに避けられたりと、あんまりいいことがありません。

蜂屋安寿、登場

そんな中、作品公表前から話題になっていた蜂屋あい(前作のラスボス兼主人公兼天使)似の美少女が現れます。
6巻に出てきた華ヶ崎愛子も、蜂屋あいにそっくりな外見でしたが、彼女は偶然外見が似ていただけという話でした。

それが判明した時には割とがっかりしたことも記憶に新しいですが、果たして今回はどうなのでしょうか……。

彼女は溢れんばかりの笑顔と共に、航くんに向けて挨拶をします。

「私、蜂屋安寿。よろしくね」

おおおおおおぉ!! 蜂屋姓きたああああああっ!!

彼女が名乗るシーンで言いようのない感動と懐かしさを覚えた人は少なくないでしょう。

それまで他の生徒に避けられていた主人公の目線では、彼女は天使のように見えたことでしょう。

まぁ、前作を知っている人間からすれば、「他が敵対的な環境で一人だけ好意的に接してくれる+蜂屋姓」というだけで怪しさ全開なのですが。

曽良地真理との出会い

ともあれそこから、唯一主人公を避けなかった生徒「曽良地真理」と出会います。

主人公側の理解者が序盤から出てくるあたり、前作よりは希望が見える展開ですね。

これで真理が敵だったら最高に鬱な展開になりそうですが、後述の理由でそれは無いと思っています。

異常な学園模様

ここからの展開も学園の異常さを際立たせるものばかりで、「主人公に触れた女生徒を硫酸で『消毒』する」、「主人公と仲良く話していた真理を十字架に磔にし、口移しで媚薬を飲ませる」など、衝撃の展開が続いてきます。

あれ……、この作品の正編、少女漫画でしたよね……?

前作の「校舎うら」が、露骨な性描写や生々しい表現が多い少女漫画の中ですら異端児扱いされていたような作品なので、レーベル変更で規制の枠が緩くなったことでこうなるのは、ある意味必然とも言えそうですね。

ともあれ、「校舎うら」は個人的に好きな作品だったので、小山鹿梨子先生の続編がこうして読めるというのは嬉しいことです。

さて、この作品ですが、今回読んでいて気になった所が幾つかありました。

その辺りについて、まだ情報の少ない現状ですが、私なりに考察してみます。

※情報の正確性は保証できません。ご了承ください。


考察

前作とは繋がりがあるのか

作品の中で明言されていないので難しいですが、「校舎うら」との繋がりに期待している前作ファンは多いのではないでしょうか。

蜂屋安寿→蜂屋あいは血縁関係と見てよいと考えていますが、他にも

近野航(妹の名前は「泉」)→近藤泉

曽良地真理→曽良野まりあ

宮橋フリージア→村橋ローリエ

三峯いつ花→光本菜々芽

あたりは意識して似せているように見えました。

特に「校舎うら」において、泉くんとソラは相思相愛だったので、その二人を主人公とヒロインの位置に置いてくるのは心憎い演出ですね。

1話で天使名しか出ていなかった人達もいずれは本名が明かされるでしょうが、個人的には

ウリエル→関大地

(副会長という安寿の右腕的ポジション。事務的で冷酷な態度)

三つ編みでカチューシャ作ってる子→斎藤未咲

(配布している壁紙や序盤の描写で、フリージア(≒ローリエ)の対になるような描かれ方がしている)

ではないかなあと予想しています。カマエルは情報が少ないので当てずっぽう同然になりますが、東あたりかなぁ。

姓名がリンクしているという話は、単に前作ファンへのサービスというだけの話かもしれません。ですが、eヤングマガジン公式のHPにて、気になる記述が一つ。

kousay

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etはフランス語で「~と」の意味。

とどのつまり、この物語は小山鹿梨子先生と蜂屋あいで書いていますよ、という意味です。

ということは、この物語は蜂屋あいが日記か何かで自分の祖母(あるいは母)の過去を振り返っている設定であるという(つまり校舎うらの世界と繋がっている)可能性が、なきにしもあらずなのです。

……まあ、これにしてもファンサービスの域を出ない話なので、これからの情報に期待するしかないのですが。

2.なぜ生徒会の女生徒達は好き勝手が出来るのか

作中では「当学園は生徒の、生徒による、生徒の為の学院である」という校則が根拠であると「民事不介入の原則」を引き合いにだして説明されていました。

しかし、民事不介入といえども、刑法犯罪が起きたら警察は介入せざるを得ません。

「硫酸をかける」というのは当然刑法に抵触していますし、「民事不介入」があくまでものの例えであることを踏まえても、この事態に教師が介入しないのは明らかにおかしいです。

それにもかかわらず、いつ花と真理はそのような事態になっても教師に助けを求めませんでした。

これを考える手がかりは、三つあります。

手がかりその1

一つはいつ花が口にした、フリージアが教師と交渉して5限が自習になったという旨の発言。

いくらこの学園が生徒の自主性を重んじるにしても、生徒全員のいうことを際限なく聞くことは不可能でしょう。

右という生徒もいれば、左という生徒もいますし、菜々芽斜め上という生徒もいる。
それら全てを同列に扱っていれば、キリがありません。

つまりこれは、フリージアが教師にこのような提案を通せるだけの『力』のある人物であることを指しているように思えます。

『交渉』という含みを保たせた言い方なのも、恐らく真っ当な手段では無いのかもしれません。お金とか。

手がかりその2

二つ目は、いつ花に硫酸をかけようとした女生徒達の、「バレたらまずい」→「没落しているから大丈夫。退学は困るから文句は言わない」という旨の会話です。

これはいつ花がいじめられていることが公になったら、『いつ花が』退学させられることを示唆しています。

なぜいじめられた側が退学する羽目になるのか、この不条理の中に、答えがあるように思えます。

これはひとまず保留して、最後の手がかりに行きましょう。

手がかりその3

それは作中の中で、『階級』という単語が出てきたことです。

これにより作中の生徒には『格』が定められており、ある程度明確な上下関係が存在することがわかります。

が、それはどのように決められるのでしょうか。

また、いくら階級が高いからと言って、教師たちが刑法犯罪を見過ごす理由になりうるのでしょうか。

その疑問を考察することで、なぜ生徒会が自由に振る舞えるのか、答えが出てきます。

生徒会が自由に振る舞える理由

私の出した答えを、結論から言います。

それは『この学院では出資額こそが正義という暗黙の了解があり、出資額の大きい家の生徒を大切にしたい学院側の意向が反映された結果』ということです。

この仮定に基いて考えれば、フリージアが5限を自習に変えられたのは、彼女の家に力が有るゆえの特権と考えることが出来ます。

この学院が生徒の行う事に介入しないのも、正確には『お金持ちの家の生徒のやることには介入しない』ということになりそうです。

教師が下手に口を出して、お金持ちの子が転校や退学をしたら困りますからね。

いつ花の件も、教師がそれを避けるために没落した家のいつ花を退学させるという前提があってこその、あの不条理な結果でしょう。

ここまで来たら、薄々感づいている方もいるのではないでしょうか。

どうやって『階級』を定めているのか?

それは恐らく『家がお金持ちな順番(=学校側への発言力が強い序列)』であると、私は考えます。

つまり『階級』というのは、生徒達が作ったというよりは、教師たちの欲望の産物であるといえるのかもしれません。

流石に教師たちが公に格を決めているわけでは無いでしょうが、生徒たちが暗黙のうちに、家の力を格と結びつけて考えたのではないでしょうか。


まとめ

いかがでしたでしょうか。

まだ1話だけの公表なので情報も少ないですが、だからこそ想像の余地がありますし、それを楽しむのも連載初期にだけ出来る楽しみ方の一つだと思っております。

今度は時間が出来た時にでも、「なぜ航くんが超名門校に入学出来たのか」という考察も付け足そうと思っています。

それこそ単に努力の結果かも知れませんし、裏事情があったとしても早い段階で判明しそうですが。

それでは、また。

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